コラム
「送信ドメイン認証」「特定電子メール法」「ガイドラインの変更」……。 メール配信ご担当者様にとって、ここ数年で把握すべきキーワードや対応事項が急激に増えたと感じていませんか？
かつては「送信ボタンを押せば届く」のが当たり前だったメールですが、GmailやYahoo!メール、Outlookといった主要なメールサービス提供者によるセキュリティ強化に伴い、現在では「正しい作法と技術で送らなければ、届かない（迷惑メール扱いされる）」時代へと完全にシフトしました。
メールを確実に届けるためには、技術、運用、法令遵守、そして受信者心理といった「多角的な視点」での対策を、抜け漏れなく実施する必要があります。
この記事では、これまでのコラムで個別に解説してきた「迷惑メール判定を回避するための知識」を体系的に整理しました。これからのメール配信において、自社の対策に穴がないか、この総まとめで確認していきましょう。
1. 【最新動向】なぜ今、対策が求められているのか？
2024年以降、Gmailと米国のYahoo!メールが「大量送信者」に対してより厳格な技術的要件を課すことを発表しました。さらに、Outlook(Microsoft)も同様の対策を開始するなど、この流れは業界全体の標準となりつつあります。
これらメールサービスの動向や、国内キャリア（docomo、au、SoftBank）のセキュリティ強化の流れを知ることは、対策の第一歩です。
※最新のガイドライン動向については、こちらのコラム「【2025年総まとめ】Gmail・Yahoo!メール・Outlook・国内キャリア動向。最新メールガイドライン解説」で詳しく解説しています。
2. 【技術編】「信頼できる送信者」の身分証明
ガイドラインに対応し、技術的に「怪しいメールではない（なりすましではない）」と証明するための必須項目です。
送信ドメイン認証（SPF・DKIM・DMARC）
これらは、メールにおける「パスポート」のようなものです。 「SPF」はIPアドレス、「DKIM」は電子署名、「DMARC」はそれらの検証結果に基づく対応策を定義します。これらが設定されていないメールは、門前払いされるリスクが非常に高くなります。
※詳しい仕組みと設定方法については、こちらのコラム「SPF・DKIM・DMARCとは？ Gmail送信者ガイドラインで必須の送信ドメイン認証を分かりやすく解説」で解説しています。
独自ドメインの利用
送信元アドレス（Fromアドレス）のドメインは、企業の「顔」です。 配信サービスの共有ドメインではなく、自社の「独自ドメイン」を使用することで、なりすましリスクを抑え、受信者に安心感を与えることができます。また、これはDMARC認証を正しく機能させる（アライメント）ためにも重要な要素です。
※独自ドメインのメリットについては、こちらのコラム「メール配信で『独自ドメイン』を使うべき理由とは？信頼性と到達率への影響」で解説しています。
マルチパート配信とHTMLサイズ
配信するメールの「形式」にも注意が必要です。 テキスト形式とHTML形式をセットで送る「マルチパート配信」は、受信環境を選ばないための基本マナーです。また、HTMLメールの容量が大きすぎると、Gmailなどで表示が途切れ、購読解除リンクが見えなくなる（＝迷惑メール報告される）リスクがあります。
※それぞれの詳細については、以下のコラムで解説しています。
3. 【運用編】受信者からの「評判」を守る
システムの設定だけでなく、日々の運用方法も到達率を大きく左右します。メールサービス側は、送信者の日々の振る舞いをスコアリング（評価）しています。
迷惑メール率の監視（Postmaster Tools）
Googleが提供する「Postmaster Tools」を使えば、自社のドメインがどの程度「迷惑メール」と判定されているかを確認できます。この数値が0.1%未満（危険ラインは0.3%）になるよう維持することが求められます。
※ツールの登録・活用方法については、こちらのコラム「Gmailへのメールが届かない？Postmaster Toolsで迷惑メール率を確認する方法」をご覧ください。
リストクリーニングとエンゲージメント
届かないアドレスに送り続けたり、開封しない人に送り続けたりすることは、メールサービス側からの評価を下げる要因です。 定期的に配信リストを整理する「リストクリーニング」と、読者の反応（開封・クリック）を高める「エンゲージメント」施策は、到達率維持の両輪と言えます。
※具体的な改善策については、以下のコラムで詳しく解説しています。
4. 【法令・マナー編】読者との「信頼関係」を築く
技術的な対策に加え、受信者に対する誠実な姿勢も、迷惑メール判定を避けるための重要な要素です。「法律を守ること」と「ユーザー心理に配慮すること」は密接に関わっています。
特定電子メール法の遵守
「同意（オプトイン）の取得」「表示義務」「解除導線の設置」。これらは法律上の義務であり、遵守していない場合は迷惑メール判定の大きな要因となります。「対応しているつもり」によるうっかり違反を防ぐため、送信前に必ず確認すべき項目を整理しました。
※法令遵守のポイントについては、こちらのコラム「迷惑メール判定を防ぐ！送信前の「特定電子メール法」必須チェックリスト【3つのポイント】」でチェックしてください。
「購読解除」の分かりやすさ
「配信停止ボタンが見つからないから、手っ取り早く迷惑メール報告ボタンを押す」。 これは、多くのユーザーがとる行動です。解除導線を隠すことは、逆効果でしかありません。スムーズな解除手段を提供することは、結果として到達率を守ることにつながります。
※ユーザー心理と導線改善については、こちらのコラム「「購読解除」を隠していませんか？ ユーザーの面倒が「迷惑メール報告」に変わる心理と、今すぐできる導線改善」で深掘りしています。
送信元アドレス（no-reply）の見直し
送信元を「送信専用(no-reply)」にしていませんか？ 一方的なメールは嫌われる傾向にあり、エラーメール(User Unknown)の発生は評価を下げます。お問い合わせ管理を効率化しつつ、到達率を落とさない設定方法があります。
※送信専用アドレスのリスクと代替策については、こちらのコラム「まだ「no-reply」を使っていますか？迷惑メール判定を招くリスクと送信専用の代替策」で解説しています。
さいごに：複雑な対策を『さぶみっと！メール配信』でシンプルに
ここまでご紹介した通り、メールを確実に届けるためには、最新ガイドラインの把握、DNS設定、リスト管理、法令遵守、そして受信者への配慮など、多岐にわたる対策が必要です。
「やることが多すぎて、自社だけで対応しきれない」 「技術的な設定に不安がある」
そう感じられた方もいらっしゃるかもしれません。しかし、これら全ての負担を配信担当者様が一人で背負う必要はありません。
『さぶみっと！メール配信』は、今回解説したような複雑化するガイドライン対応や技術的な要件を、サービス側の標準機能や基盤として吸収・提供しています。
お客様は、複雑な技術仕様や法改正の細部を気にすることなく、「読者に価値ある情報を届ける」という本来のマーケティング活動に専念いただけます。
正しい知識と、それを支える確かなインフラがあれば、メール配信はもっとシンプルで強力なツールになります。 『さぶみっと！メール配信』では、最新の配信環境をすぐにお試しいただける無料トライアルをご用意しています。まずはその「届きやすさ」と「使いやすさ」をご体感ください。
