コラム

日本企業のグローバル展開を阻む課題の1つ、言語の壁を超える方法とは?

少子高齢化が進むうえ、2011年からは本格的に人口も減少に転じた日本。これに対し、南西アジアやASEANなどの新興国や日本以外の先進国に目を向けると、さまざまな国で中間層・富裕層の人口増加が見込まれていることから、企業にとって海外への進出は大きな魅力がある状況にあります。しかし、言語、商習慣などが日本とは異なる文化圏への進出はそう簡単ではありません。そこで今回は、日本企業のグローバル展開に関する現状、うまく進まない原因、そしてその打開策について考察していきます。

日本企業のグローバル展開の現状

経済産業省が行っている「海外事業活動基本調査」の最新版(2017年度実績)を見ると、海外に現地法人を置く企業は25,034社。全地域(※)に占めるASEAN10の割合は2010年から7年間連続で拡大しています。また現地法人の従業員数は595万人で前年度比(2016年度比)+6.5%。現地法人の売上高は288.1兆円で、これも前年度比+11.8%と順調に増加を続けています。

しかし、ASEAN10が順調に伸びている反面、北米、欧州の現地法人数は前年と比べて減少。またアジアのなかでも中国だけは現地法人数、従業員数は前年より減少していて、特に全地域に占める現地法人数の割合は5年連続で縮小しています。

2017年度に全地域で現地法人から撤退した企業の数は、過去10年でもっとも多い725社に上ります。16年から17年にかけては、ほかの地域に比べて撤退比率が増加している地域として北米以外にASEAN10が挙げられています。そして2017年に進出した現地法人の地域別割合で見ても、北米と欧州のほかにASEAN10も減少しているという結果が出ています。これらのことから特にASEAN10を中心としたアジアは、日本から見て大きな魅力を持っているものの、その分、競争も激しくなります。また、現地法人数や撤退比率が減少している北米や欧州に進出する場合も、厳しい状況の中で生き残るための入念な準備が必要です。

※北米、中国、ASEAN 10、その他アジア、欧州、その他。

グローバル展開が思ったように進まない原因

グローバル展開が思ったように進まない原因の1つとして、海外進出を行う企業が増えたことで競争が激化していることが考えられますが、それ以外にも次のような原因が挙げられます。

 

◆販売先の確保が困難

国内では多くのビジネスパートナーを持ち、販売先、提携先が多い企業であっても、海外進出をした際、販売先がなければ商売をすることはできません。実際、日本貿易振興機構が2019年3月に発表した「2018年度日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」においても、海外ビジネスに有効な施策として、「現地でのビジネスパートナー(販売先・提携先など)の確保」を挙げた企業がもっとも多いという結果が出ています。

また、中小企業庁委託による「中小企業の海外展開の実態把握にかかるアンケート調査」(2013年12月、株式会社損保ジャパン日本興亜リスクマネジメント)によると、輸出の開始により売上が増加した企業と増加しなかった企業の双方において、輸出を成功させるためにもっとも重要と考えている取り組みとして、「販売先の確保」を挙げた企業の割合がトップとなっています。これだけ販売先、提携先の確保が重視されているということは、逆にいえば、これらのことにしっかりと取り組めていないと、グローバル展開が進まない可能性が高まるとも考えられるでしょう。

 

◆為替変動のリスクがある

海外で事業を行う際、常にリスクとなるのが為替変動です。特に政情が不安定な一部のアジアでは現在は好調であっても、いつ大きな為替変動があってもおかしくはありません。戦争、テロなどさまざまな原因で急激な為替変動が起こり、大きな損害を生んでしまうことも、グローバル展開が進まない原因の1つです。

 

◆グローバル展開を主導する人材の不足

グローバル展開を成功させるには、現地での情報収集や現地採用した人材に対する指導、販売先・提携先確保のための交渉、書類作成や貿易実務といった重要な役割をこなす人材が不可欠です。しかし、グローバル展開を焦るあまり、そうした人材育成が十分でなかったり、即戦力として雇用した人材が思ったような業務をこなせなかったりといったケースが少なくありません。これもまたグローバル展開が成功しない原因の1つです。

 

◆現地の市場動向・ニーズの把握ができていない

国内で多店舗展開をする際も、出店先地域の情報が十分でなければ成功はおぼつかなくなります。それが海外となればより綿密な情報収集を行い、市場動向やニーズを把握しなければ、到底成功することはできないでしょう。海外の場合、言語、文化、商習慣などあらゆる面で日本独自のものは通用しないため、ここをおろそかにしてしまう企業は、グローバル展開をしても失敗してしまう可能性が高いといえます。

日本企業のグローバル展開を成功させるポイント

さまざまなリスクがあるなか、日本企業がグローバル展開を成功させるには、前項で挙げたような課題を克服することが不可欠です。具体的には次のような解決策が考えられます。

 

◆信頼できるビジネスパートナーの確保

輸出により売上が増加した企業と増加しなかった企業、双方が重要だとした「販売先の確保」。この問題を解決するには、まず現地で信頼できるビジネスパートナーをしっかり確保することが必要でしょう。国内に比べ情報の少ない海外において、自社だけで営業活動を行っても成功することは簡単ではありません。

 

◆現地語のWebサイト開設がカギ

現地語のWebサイトを開設することも効果的です。実際、中小企業庁による調小企業白書2014で紹介されている事例で、神奈川県茅ケ崎市に本社を置き、工場で使用する機械・器具の卸売を行っている株式会社丸越では、2007年、英語、スペイン語、イタリア語でも閲覧可能なWebサイトを作成したところ、それまで受注のなかった国や地域のバイヤーからも連絡が来るようになり、Webサイト開設前に比べ海外の取引先数が10倍ほど増加しました。

 

◆為替変動リスクへは先物取引で対応

為替変動はさまざまな要因で起こるため、そのリスクを100%回避することは不可能といっても過言ではありません。しかし、被害を最小限に抑えることは可能です。その方法の1つが先物取引です。あらかじめ現在のレートで交換を確定させておけば、仮に大幅な為替変動が起きても対応が可能です。ただし、先物取引は銀行との間で「先物外国為替取引約定書」の締結が必要となるため、銀行との関係構築も欠かしてはなりません。

 

◆人材は自社の状況に応じて採用、育成の双方を検討

海外拠点で様々な業務を行う上で重要となる人材の確保は、新たな人材採用、既存社員の育成の双方から、自社の状況に応じて選択します。ただし、どちらを選択するにしても重要なポイントは基本となる語学力、コミュニケーション力があることに加え、海外で働きたいという強い意志を持った人材を集めることです。そのうえで、可能であれば採用後は海外研修や留学で適性を見極めることが重要です。

まとめ)言語の壁を超えることはグローバル展開の第一歩

今後、さらなる人口減少が予測されている日本において、企業が生き残っていくためには、グローバル展開を進めていくことがもはや必須ともいえます。しかし、さまざまな問題から、国内と同じように展開していくことは簡単ではありません。特に言語の壁を超えることができなければ、その先へ進むことは非常に困難であるといえます。

言語の壁を超えるには人材の確保はもちろん重要ですが、それと同様に情報発信の窓口となるWebサイトの多言語化も欠かせないでしょう。しかし、多言語化を行うにしても、手間やコストを考えるとすぐに対応することは簡単ではありません。だからといって機械翻訳では内容によっては精度に不安要素があります。そして翻訳会社に依頼するには時間的にも費用的にもコスト面で問題が生じます。

そこで大きな力を発揮するのが、HTMLのヘッダー内にJavaScriptタグを入れるだけで簡単に多言語サイトを作成できるウェブサイト多言語化ツール「shutto翻訳」です。機械と人力、双方のメリットを活かしたハイブリッド型で、翻訳精度をより高めるために、簡単に翻訳内容を修正することも可能です 。これからグローバル展開を検討されている企業のかたはぜひ、shutto翻訳の導入を検討されてみてはいかがでしょう。

参考

第48回 調査結果(2017年度実績)|政府統計
2018年度日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査|日本貿易振興機構
中小企業白書2014|中小企業庁
第1節 新興国展開の重要性|経済産業省

 

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