コラム

インバウンド需要が高まっているホテル業界について、成功させるコツを解説

近年、ホテル業界のインバウンド需要が高まっています。

需要を取りこぼさないためには、どのような対策をすればよいのでしょうか。
今回は、ホテル業界のインバウンド需要への対策や、成功させるためのコツを解説します。

宿泊業界のインバウンド需要とは

そもそもインバウンドとは、「外から中に入り込む」という意味を持つ言葉です。宿泊業界におけるインバウンドは、「海外の旅行者を日本に誘導する」「海外旅行者の日本旅行」などの意味を持ちます。

インバウンド観光客は新型コロナウイルス感染症がまん延する2019年までは伸び続けていました。
入国規制がかけられてからの2020年以降では7分の1程度に減少しましたが、現在では新型コロナウイルスが5類感染症に分類され、入国規制が解除されたため、インバウンド観光客が再び増えています。
2023年12月の訪日外国人観光客数は、新型コロナウイルスがまん延する以前の2019年同月比で約108%とされています。

それに伴い、近年日本のインバウンド需要は伸びており、海外から日本への格安旅行プランや航空券の販売が活発に行われている状況です。そのため、宿泊・観光業界も対応に追われています。

ホテルのインバウンド需要はまだまだ伸びる

ホテル業界は、2020年以降コロナ禍の影響を受け需要が停滞していた時期もありました。
コロナ禍から抜けた現在では、インバウンド需要は2020年以前の水準にまで戻っていますが、今後さらにインバウンド需要は伸び続けると予想されています。ここでは、その理由について解説します。

円安・入国緩和が要因で外国人観光客が増えている

コロナ禍が落ち着き、2023年12月には、2,734,000 人もの訪日外客数を誇り、コロナ前の人数に戻りつつあります。
また2024年現在、日本の物価は円安傾向にあるため、安い物価で日本を楽しめる状況です。

アメリカのニューヨーク・タイムズ紙が、2023年には岩手県盛岡市、2024年には山口県山口市を行くべき場所として取り上げるなど、日本旅行が話題に上る機会も増え、外国人観光客の訪日は増えています。

ホテルの質が求められる

滞在日数の比較的長い外国人旅行者の場合は、ホテルや旅館に質を求める傾向が高いとされています。

また、コロナ禍の間に資金が溜まったことや円安も関係し、一人あたりの消費額は2019年以前と比べて高くなっているのに加えて、観光庁の調査における外国人観光客の消費の内訳では、2019年に比べて2023年は「買物代」が減少し、「宿泊費」が伸びていることが分かります。

訪日外国人旅行消費額

訪日外国人旅行消費額の費目別構成比

富裕層の訪日客数も増えていると言われ、東京23区では2023年、シンガポールやイタリア、アメリカなど外資系のラグジュアリーホテルが新たに6軒オープンしました。東京に限らず、こうした動きは全国に広がっています。

前述の通り、外国人観光客は日本への滞在期間が長めな傾向にあるため、特に食事には気を付けたほうがよいでしょう。いくら豪華で美味しい料理だったとしても、滞在期間中に同じ料理を食べ続けていると飽きが来てしまいます。
例えば館内に複数のダイニングを用意し、お客様が選べるような環境を作っておくと飽きさせず、お客様に楽しい食事時間を過ごしてもらえるでしょう。

また館内の設備も重要です。
ホテルは、旅行客がその日の締めくくりに過ごす場所です。
長期間滞在することが多い外国人観光客は、快適に過ごせるかどうかを特に重視する傾向にあります。そのため、部屋の広さや防音性はもちろん、ベッドを大きいサイズにしたり高性能なドライヤーを設置するなど、快適に過ごしてもらえるように設備は充実させましょう。

このほか、ルームサービスも重要です。ティータイムの案内やベッドメイク以外にも、衣類のクリーニングサービスなどがあれば喜ばれるでしょう。

参考:NHK クローズアップ現代「ホテルが激変!外資系進出ラッシュと宿泊費高騰

ホテルに求められるインバウンド対応

外国人観光客が日本のホテルに求める対応とはどのようなものでしょうか。
外国人観光客から求められる点を以下にご紹介します。

多言語への対応

英語をはじめとした多言語でスムーズにコミュニケーションを取ることができるスタッフの確保はなかなか難しい現状があります。
そのため、テレビ電話通訳サービスの活用や自動チェックイン機の導入、客室内にタブレット端末を設置するなど、ITシステムを活用した多言語対応を導入するホテルが増えています。
ホテル内のコミュニケーションに不具合がないように、インバウンド対策を実施しましょう。

無料Wi-Fiの設置

ホテル内でインターネットを快適に利用できるように、無料Wi-Fiの設置が必要です。
外国人観光客は、日本での観光地や食事の予約をするために常にインターネットを使用します。ホテル内で快適に過ごせるように、無料のWi-Fiを設置しておくことは、インバウンド需要への対策に必須といえます。
Wi-Fiの回線は部屋ごとに回線とパスワードを分けることで、それぞれの部屋の観光客が快適にインターネットを使用できます。

キャッシュレス決済の導入

ホテル内の決済にはキャッシュレス決済を導入しましょう。海外の多くの国では、キャッシュレス決済が主流な決済方法となっており、特に韓国や中国では、全決済のうち8割以上がキャッシュレスで行われています。

現金は両替の必要がある上に、海外キャッシュカードが利用できるATMが限られたり、引き出し限度額も限られる場合があります。また、セキュリティの点も踏まえ、現金を必要最低限しか持ち歩かない方も多いため、キャッシュレス決済ができることが重視される場合もあります。

導入するキャッシュレス決済システムの選び方としては、クレジットカード決済やQR決済など外国人宿泊客の使用頻度が高いものを導入することをおすすめします。

地域観光情報の発信

ホテルの施設だけではなく、ホテル周辺の観光情報を公式WebサイトやSNS、レビューサイトなどを使って掲載することで、そのホテルに泊まるきっかけになることが考えられます。
ホテルから行きやすい観光地や周辺の1日観光プラン、日本の文化に触れられる体験スポットなどを掲載することで、ホテルへ付加価値が付けられるでしょう。

口コミサイトの評価向上対策をする

多くの外国人観光客は予約をするときに口コミサイトの情報を参考にします。ホテル側は、口コミサイトの評価向上を目指して対策を練りましょう。

例えば、ここまでご紹介したような、外国人観光客に求められるサービスの充実を図ることも口コミサイトの評価に影響します。
また、自社ホテルに投稿された口コミへは丁寧に返信をして、宿泊への感謝を伝えましょう。もし、改善すべき内容が記載されている場合は、すぐに対応しその旨も返信します。

地道な対応が口コミサイト内での評価につながります。

ホテルがインバウンド対策を始めるときのハードル

インバウンド対策に中々踏み出せない企業は、以下のようなハードルを感じているのではないでしょうか。
ここでは、ホテルがインバウンド対策を始めるとき感じるハードルについて解説します。

初期費用がかかる

インバウンド対策には、さまざまな面で初期費用がかかります。
例えば、他言語システムの導入やWebサイトのリニューアルを行う場合には、システムの内容によっては多額の資金が必要です。

また、外国人観光客に対応するスタッフを雇用し、トレーニングすることにも時間と費用がかかります。そのため、インバウンド対策にハードルを感じて一歩を踏み出せない企業も多くあるでしょう。

また、初期費用をかけたとしても収益化できるようになるまで時間がかかる可能性もあるため、そこに不安を感じる経営者も少なくありません。

文化の違いからトラブルにつながる可能性もある

日本人と外国人観光客では、さまざまな面で文化の違いがあり、それを原因としてトラブルにつながるというケースもありますが、それ以外に外国人観光客同士でも国ごとに文化の違いがあります。
例えば、部屋の使用方法やゴミの捨て方、浴室の利用方法などは、国ごとに異なる生活スタイルの影響を受ける可能性があります。

それらが原因でホテル側やホテル周辺に住む近隣住民のほか、旅行客同士でのトラブルが起こる可能性も考えられるでしょう。
マナーについての対策としては、ルールを事前に記載する方法がおすすめです。

部屋の使用方法や共用スペースの過ごし方など、ホテル側が守って欲しいルールについては各文化に配慮したうえで事前に告知し、張り紙などで案内も行いましょう。

ホテルがインバウンド対策を成功させるためのコツ

ホテルがインバウンド対策を成功させるコツは3つあります。
以下のポイントを押さえることで、インバウンドの波に乗って顧客拡大を目指せるでしょう。

ターゲットを明確にする

ターゲットにしたい顧客層を明確にしましょう。
ホテルがある立地やホテルの設備によって、泊まりたい顧客層には違いがあります。
ホテル側が顧客を理解し具体的に想定することで、ホテルに必要な設備やアメニティ、サービスも見えてくるでしょう。
設定したターゲット層には、どのようなサービスがおすすめできるのかを考えれば、そのホテルの魅力を洗い出すことが可能です。魅力が再確認できれば、ターゲット層の選定もより明確になるため、これを繰り返してターゲットとする外国人観光客の層に合ったサービスを提供しましょう。

例えば、グループでの宿泊が多いので、シングルよりもダブルやツインの部屋を増やす、隣通しの部屋をつなげることができるコネクティングルームを用意するという対策をとったホテルがあります。

効果的にホテル・地域の魅力を伝える方法を考える

ホテルや周辺地域の魅力について、どのようにすれば効果的に情報発信ができるかを考えましょう。
外国人観光客は、インターネットを駆使して日本の観光地やホテルの情報を集めます。そのため、効果的に情報発信ができれば観光客の目に留まり宿泊先の候補として選ばれやすいでしょう。

情報の発信方法としては、SNSでの発信や、公式Webサイトの更新などがおすすめです。
魅力的な写真や地域観光の説明を発信し、観光客を惹きつけましょう。

利用者から見た魅力と不便な点を参考にする

インバウンド対策を考えるときには、外国人観光客の目線に立ってサービスの内容を考えます。
他のホテルや外国人観光客の情報を常に集め、どのような需要があるか、人気のホテルが選ばれている秘訣について調べましょう。
また、自社ホテルに集められた口コミなどを参考にして、改善するという方法も効果的です。
外国人観光客にとってホテルでの生活が不便なく、快適に過ごせるように工夫しましょう。

まとめ

日本でも需要が高まっているホテルのインバウンド対策について、ホテルに求められる対策の具体的な内容や成功させるコツを解説しました。

インバウンド旅行者が大幅に増え、全国的に外国人がホテルに泊まる事の想定が必要とされるようになりました。
これに併せて、海外ではどのようなホテルの人気が高いのか、日本のホテルのどこを不満に感じているのかという点を考え、それについて対策をする必要があります。まずはできるところから対策していきましょう。

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