コラム
自動翻訳の「不安」を手軽に解消! プロが確認する「翻訳チェック」機能

ウェブサイトの多言語化が進む一方、「自動翻訳のままで、本当に意図が伝わっているか?」といった不安をお持ちのご担当者様も少なくないのではないでしょうか。自動翻訳の品質には不安が残るものの、全ページをプロに依頼するのは手間や費用、時間がかかるものです。
本記事では、「翻訳の品質はしっかり保ちたい、でもコストは抑えたい」というお悩みを解決する『shutto翻訳』の「翻訳チェック」機能について、実際のご活用事例を交えながらご紹介します。
自動翻訳の「壁」と「翻訳チェック」機能
なぜ自動翻訳だけでは不安が残るのか?
自動翻訳の精度は向上しているものの、日本語特有の表現が誤訳の原因となる場合があります。
例えば、「タイパ」や「コスパ」といった略語・造語、独自のサービス名などは、正しく翻訳されない可能性があります。また、「手間を愉しむ」のような詩的な表現や、ブランドの「想い」が込められた言葉も、字面通りに翻訳されるだけではニュアンスが伝わりません。さらに、日本語に多い主語の省略や、「空白」のように文脈によって意味が変わる多義的な単語(例:「空白」)も、誤訳を生みやすいポイントです。
コストを抑えて品質の不安を解消する解決策
こうした自動翻訳の弱点を補うのが「翻訳チェック」機能です。
これは、自動翻訳の結果をプロが目視で確認・修正するサービスです。自動翻訳の土台を活かすため、ゼロから翻訳する従来の「プロ翻訳」より費用を抑えつつ、品質を向上させることが期待できます。
【翻訳チェック機能のポイント】
- プロが自動翻訳の結果を目視で確認・修正
- 「プロ翻訳」よりコストを抑えて品質を向上
- 誤訳を避けたい重要なページから手軽に利用可能
- ※本機能は、翻訳元言語が日本語の場合のみご利用いただけます。
※「翻訳チェック」機能の詳しいご利用方法については、こちらのマニュアル「翻訳チェック」および「翻訳チェック機能 リリースのお知らせ」もご参照ください。
では、実際に「翻訳チェック」機能をご利用いただいた、愛知県蒲郡市にある創業1932年の老舗旅館「三谷温泉平野屋」を運営する株式会社平野屋様でのご活用事例をご紹介します。
「翻訳チェック」機能 ご利用の背景
ホテルのコンセプトを訴求する大切なページだからこそ人の目を通しておきたい
今回「翻訳チェック」機能をお試しいただいたページは、「コンセプト(平野屋の魅力) | 平野屋 Ryokan&Sauna【公式】」のページです。
このページは、ライターによる詩的表現が含まれており、ホテルのコンセプトを訴求する大切なページでありながら、ネイティブによるセルフ修正が行えていない状態だったことが、ご活用いただいた主な理由・きっかけとのことです。

コンセプト(平野屋の魅力) | 平野屋 Ryokan&Sauna【公式】|https://www.hotel-hiranoya.co.jp/concept/
「翻訳チェック」機能 ご依頼言語:韓国語、中国語(繁体字)、中国語(簡体字)、英語
翻訳チェックによる具体的な修正例
「翻訳チェック」機能は自動翻訳されたページ全体に対し、プロの翻訳者が「文法・誤字の間違いがないか」「不自然な表現はないか」を確認し、修正するサービスです。ゼロから翻訳するプロ翻訳よりも安価に、人力での品質チェックを実現します。
※本機能は、翻訳元言語が日本語の場合のみご利用いただけます。
今回、翻訳パートナー様にもご協力いただき、修正が入ったテキストとその理由について、特別に教えていただきました。
【総評】8割以上の自動翻訳結果がしっかりと伝わる翻訳になっています
言語により差異はあるものの、今回翻訳チェックを行った4言語の平均として、8割以上の自動翻訳が修正することなく伝わる構成になっているという評価でした。
「8割」と聞くとご不安を覚える方もいるかもしれませんが、今回修正対応を行ったテキスト(=全体の約2割)のうち、深刻な『誤訳』と判定されたのは平均1割ほどで、それらの多くは日本語ならではの「略語」や「美しい日本語」といった独特な表現を起因としていました。
「翻訳チェック」機能ではこのような誤訳箇所に対して、修正案を提示しています。
※「翻訳チェック」機能では明らかな誤訳部分のみをチェック・修正しています。キャッチコピーや日本語特有の表現などサイトに適した表現調整をご希望の場合は「プロ翻訳」機能をご利用ください。
それでは、どのような翻訳結果に対してチェックが入ったのか、修正例を見ていきましょう。
1.自動翻訳による「意外な誤訳」の修正例

原文:
アクセス
翻訳チェック結果:

翻訳パートナー様による主なチェック評価
普段見慣れているはずの「共通メニュー」の部分にも、自動翻訳ならではの"意外な誤訳"があります。
単語の誤訳修正
- 「アクセス」の誤訳修正:
- 「アクセス(交通手段・案内)」を伝えるべき箇所で、中国語(繁体字・簡体字)ともに「使用權」(意味:利用する権利)と訳されている誤訳となっていました。これは意味が大きく異なり、ユーザーの混乱を招きます。翻訳チェックにより、アクセス情報として適切な表現である「交通資訊」(繁体字)や「交通方式」(簡体字)に修正しました。
2. 日本語ならではの「略語」や「言い回し」の修正例

原文:
手間を愉しむ、時間旅行。
タイパやコスパが求められる毎日。
たまにはゆっくり丁寧に、「ひととき」を過ごしませんか。
たとえば、コーヒーを手挽きで淹れてみる。
ガリガリと豆を挽く音は規則的で心地よく、
コポコポとフィルターにお湯を注げば、ふんわり立ち上る香り。
ほろ苦いコーヒーを一口飲めば、肩の力が抜けていく。
もうひとつ、「時手紙(ときてがみ)」もいかがでしょう。
5年以内の自分に手紙を書く「時手紙」は、平野屋のひそかな名物。
少し先の未来に思いを馳せ、言葉を手紙にしたためる。
スマホとはちがう手紙という伝え方も、新鮮で良いものです。
一瞬でできるコーヒーもスマホも、生活には必要です。
だけど、時には「手間なこと」「不便なこと」を楽しんでみる。
平野屋はそんな空間でありたいと思っています。
どこか懐かしいお部屋も、自然と人工物が織りなすサウナも、
三河湾の食材を使ったお料理も。
大切な人との時間を、のびやかに過ごしてほしいから。
お客様が心と体をととのえて平野屋をご出発できるよう、
心を尽くしておもてなしいたします。
翻訳チェック結果:



翻訳パートナー様による主なチェック評価
旅館のコンセプトや文化的な表現の誤訳修正
- コンセプトの誤訳で修正:日本の文化や旅館の滞在価値を示す大切なフレーズである「手間を愉しむ」が、韓国語ではネガティブな意味合いを持つ「面倒」といった単語に誤訳されていました。中国語(繁体字)でも「享受煩悩」と誤訳されており、意図したポジティブなニュアンス(韓国語:「 정성을 즐기는」、中国語:「花心思」など)を伝える表現とすることが適切であるとして修正しました。
- 略語の誤訳修正:日本語のまま発音する「タイパ(タイムパフォーマンス)」や「コスパ(コストパフォーマンス)」といったカタカナ英語の略語は、そのまま直訳されても意味が通じません。現地のユーザーに意味が伝わる「効率」といった適切な表現に修正しました。
- 文体・トーンの統一:自動翻訳では、文末表現が「〜だ」と「〜です」のように混在し、サイト全体のトーンがバラバラになってしまうことがあります。誤訳というほどではないものの、読みづらい文章は、可能な範囲で読みやすく信頼感のある文章に整えました。
- 固有名詞の誤訳防止:施設の名前である「平野屋」が、直訳されて「平野の屋」など、明らかに誤った表現に翻訳されている箇所は修正を行いました。
- 情緒的な表現のニュアンス補正:「心と体をととのえて」といった情緒的な表現が、「合わせる」といった単純な動詞に誤訳されていました。本来のニュアンスが明らかに失われているケースも、可能な範囲で修正対応しました。
細やかな動作や感覚表現の誤訳修正
- 「手挽き」の意味が欠落:「コーヒーを手挽きで淹れ」という表現が、中国語(簡体字)で「手でコーヒーを入れる」と翻訳され、「手挽き」のニュアンスが欠落していました。修正により、体験を正確に伝えられるようにしました。
- 調理器具の誤解を修正:「フィルターにお湯を注ぐ」という表現が、中国語(簡体字)で「お湯を鍋に注ぐ」と誤訳され、中国語(繁体字)でも「將熱水倒入鍋中並過濾」と誤解を生む表現が見られました。これは器具を誤解していると判断し、正しい器具を示す「濾杯」(ドリッパー)に修正しました。
- 感覚表現のニュアンス補正:「ほろ苦い」という感覚を伝える表現が、中国語(簡体字)で「苦楽」と誤訳されていました。感覚や味覚を伝える適切な表現に見直しました。
- 独自の言葉の誤訳を修正:「時手紙」という独自のコンセプトを示す言葉が、中国語(簡体字・繁体字)では伝えきれていなかったため、本来伝えたい「給未來的信」(未来への手紙)として、正確に伝える表現に修正しました。
3. 文語としては正しいが、自動翻訳では意味が伝わりにくい「美しい日本語」の修正例

原文:
未知の美しさ、好機を満たす知識、身体の謎、
つき動かす思想、心に触れる語り。
旅の疲れを洗い流した空白の中に、本を通して
これらの成分で満たしていく空間です。
翻訳チェック結果:

翻訳パートナー様による主なチェック評価
漢字語の誤訳修正
- 「好機」の意味が伝わらない場合がある:韓国語では、「好機」という日本語の漢字音のまま表記しても意味が分かりにくい場合があるため、現地の言葉として自然に伝わる表現に修正しました。
- 意味不明な直訳の修正:中国語(繁体字)で「満足機會的知識」とは『満足の機会に関する知識』という、直訳的で意味不明な表現になっていた箇所を、「充實機會的知識」と自然な表現に修正しました。
- 不自然な直訳の修正:中国語(繁体字)で「感動你的思想」とは『思考を動かす』という不自然な表現になっていた箇所を、「驅動內心的思想」に修正し『内なる思考を駆り立てる』として正確に伝わるように反映しました。
- 「空白」が「空っぽ(空腹)」に誤訳:韓国語では「空白」という単語が、文脈とは異なる「空っぽ」や「空腹」といった意味に誤訳されていたので、適切な表現に修正しました。
指示語の誤訳修正
- 指示語の誤訳修正:(中国語・簡体字)で「本を通して」という一般的な表現が、「この本を通して」と、特定の書籍を指す指示語を伴う表現に誤訳されていました。正確な表現に修正することで、読者に誤解を与えないようにしました。
【平野屋様のお声】安価に意味が通る品質まで改善できる点に安心感
「翻訳チェック」機能は、低予算で「意味が通る安心感」を実現できるので、自動翻訳サービスの導入を後押しできる機能です。
shutto翻訳の「翻訳チェック」機能は、自動翻訳の結果にさらに人の目を通すことで、ウェブサイトの多言語化における「品質」と「コスト」のジレンマを解決します。
ご利用いただいた株式会社平野屋様からは、特に以下の3点をご評価いただきました。
1. 安価に「意味が通る品質」を実現し、自動翻訳サービス導入への安心感を高めてくれます
本機能は、ゼロからプロに校正依頼をするよりも安価にプロのチェックを通すことができ、「意味が通る品質」まで翻訳を改善できる点が良いです。
特に、誤訳のリスクを最小限に抑えたい、コンセプトページやアクセスページ、料金案内ページといった、企業の魅力や信頼性を左右する重要なページでの活用が期待できます。
プロによるチェックが入ることで、自動翻訳を導入する上での安心感につながると感じました。
2. ページ単位で依頼でき、コストと予算組みが容易になります
本機能は、ページ単位での依頼が可能なため、依頼方法や費用算出が簡単だと思います。
また、言語ごとにページ単位で費用が固定化されているので、必要なページだけを選んで依頼でき、翻訳にかかる予算を組みやすいと感じました。
3. 限られた予算の中でもウェブサイト翻訳を後押しできるサービスだと思います
本機能は、限られた予算の中でも多言語対応を行いたいウェブサイト事業者様においても、自動翻訳の導入を後押ししやすくなるというメリットがあると感じました。
いかがでしたでしょうか?
「翻訳チェック」機能は、手軽に品質を高められるだけでなく、お客様の費用対効果を最適化し、ビジネスの成果にも貢献できるサービスです。
企業の信頼性に関わるコンセプトページや料金案内に、誤訳の不安は残せません 。
コストパフォーマンス良く「意味が通じる安心感」を手に入れるために 、ウェブサイトの重要なページに、ぜひ「翻訳チェック」機能をご活用ください!
『さぶみっと!』では、『shutto翻訳』の他に、ウェブサイトの回遊率向上に貢献するレコメンドエンジンも提供しています。ECサイトには『さぶみっと!レコメンド』、コンテンツサイトには『Contents Recommend』をご用意しておりますので、ぜひサービスサイトをご覧ください。
今後も『shutto翻訳』では、機能品質の改善に努めてまいります。
インタビューにご協力いただいた企業様
| 会社名 | 株式会社平野屋 |
| URL | https://www.hotel-hiranoya.co.jp/ |
| 愛知県蒲郡市にある創業1932年の老舗旅館「三谷温泉平野屋」。2023年4月には建築家・造園家・美術家・クリエイターがコラボした現代美術館のようなサウナ『平野屋サウナ』をオープンし、「平野屋 Ryokan&Sauna」としてリニューアルオープン。 |
| サービス内容 | 宿泊事業 等 |
| お話を伺った方 | 株式会社平野屋 ご担当者様、株式会社アビリブ 制作ご担当者様 |
※本事例は2025年10月現在の内容です。
※本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載当時のものであり、変更されている可能性があります。
※掲載団体様への直接のご連絡はご容赦ください。