コラム
カゴ落ち広告はなぜ成果が出るのか?通常のリターゲティングとの違いとCVR向上の仕組みを徹底解説

ECサイトを運営する中で、「多くのユーザーが商品をカートに入れたにもかかわらず、購入に至らずに離脱してしまう」という課題に直面していませんか? いわゆる「カゴ落ち(カート放棄)」(※1)は、売上の機会損失における最大の要因の一つと言われています。
カゴ落ち対策として「カゴ落ちメール」は非常に有効な手段ですが、メールアドレスを登録していないユーザーや、メールを開封しないユーザーへのアプローチには限界があります。そこで、注目を集めているのが「カゴ落ち広告(カゴ落ち特化型のリターゲティング広告)」です。
本コラムでは、通常のリターゲティング広告と『CART RECOVERY®』(※2)が提供している「カゴ落ち広告」(※3)の違い、そしてなぜ高い費用対効果が期待できるのか、その仕組みと最新の動向について解説します。
カゴ落ち広告とは?通常のリターゲティング広告との決定的な違い
『CART RECOVERY®』の「カゴ落ち広告」は、商品をカートに入れたまま離脱したユーザーに対して、ピンポイントで配信されるディスプレイ広告です。
広義には「リターゲティング広告(リマーケティング広告)」の一種ですが、アプローチする対象と目的の明確さに大きな違いがあります。
「サイト訪問者」と「購入検討者」の熱量の差
通常のリターゲティング広告は、トップページやカテゴリページを閲覧しただけのユーザーも対象に含むことが一般的です。これに対し、カゴ落ち広告は「カートに商品を入れる」という、購入意思が非常に高いアクションを起こしたユーザーのみを対象とします。
このターゲットの質(購入意欲の高さ)の違いが、広告のパフォーマンスに大きな差を生み出します。
数字で見る「質」の違い:CVRは8倍〜12倍の可能性も
『CART RECOVERY®』と連携した広告配信プラットフォームの運用実績データをみると、通常のリターゲティング広告とカゴ落ち広告では、それぞれの指標において以下のような傾向が見られます。
| 通常のリターゲティング広告 | 『CART RECOVERY®』 カゴ落ち広告 | |
|---|---|---|
| クリック率 | 0.1% 〜 0.25% | 0.28% 〜 0.32% |
| コンバージョン率 | 1.0% 〜 2.0% | 8% 〜 12% |
| CPC(PC) | 80 〜 150円 | 平均 約247円 |
| CPC(SP) | 50円 〜 120円 | 平均 約203円 |
| クリック率 |
|---|
| 通常のリターゲティング広告 0.1% 〜 0.25% |
| 『CART RECOVERY®』 カゴ落ち広告 0.28% 〜 0.32% |
| コンバージョン率 |
| 通常のリターゲティング広告 1.0% 〜 2.0% |
| 『CART RECOVERY®』 カゴ落ち広告 8% 〜 12% |
| CPC(PC) |
| 通常のリターゲティング広告 80 〜 150円 |
| 『CART RECOVERY®』 カゴ落ち広告 平均 約247円 |
| CPC(SP) |
| 通常のリターゲティング広告 50円 〜 120円 |
| 『CART RECOVERY®』 カゴ落ち広告 平均 約203円 |
※数値は提携パートナーであるLogicad(ロジカド)の実績値に基づく平均的な目安であり、商材や時期により変動します。
ここで注目すべき点は、カゴ落ち広告の方がクリック単価(CPC)が高くなる傾向にあるという事実です。競合他社も「購入に近いユーザー」を狙って入札を行うため、配信単価自体は上昇します。
しかし、CVR(購入率)が通常のリターゲティングに比べて圧倒的に高いため、結果としてCPA(獲得単価)が下がり、高い費用対効果が期待できます。
制作コスト「ゼロ」で開始できる?カゴ落ち広告の仕組み
ディスプレイ広告を実施する際、マーケティング担当者の大きな負担となるのが「バナー画像の制作」や「商品フィード(データリスト)の作成・更新」です。しかし、『CART RECOVERY®』のカゴ落ち広告では、これらのプロセスが大幅に自動化されています。
自動連携によるダイナミック広告の実現
『CART RECOVERY®』では、広告配信に必要な商品画像や価格などの情報は、サイトに設置した計測タグを通じて自動的に取得されます。
- ユーザーが商品をカートに入れる。
- 計測タグが実行されると商品フィードが自動で作成され、そのデータが広告配信サーバー(DSP)へ連携される。
- ユーザーが閲覧しているニュースサイトやブログ等の広告枠に、「カゴに入ったままになっている商品そのもの」の画像を含んだ広告を自動生成して表示。
この仕組みにより、デザイナーによるバナー制作や、エンジニアによるデータフィードの構築といった初期コストや運用工数をかけることなく、高精度なダイナミック広告(動的リターゲティング広告)を開始することが可能です。
メール×広告のクロスチャネルで最大化する売上
カゴ落ち広告は単体でも効果を発揮しますが、「カゴ落ちメール」と併用することで、さらなる相乗効果が期待できます。
CVRが5倍に向上?相乗効果のメカニズム
メールと広告は、ユーザーへの接触ポイントが異なります。
- カゴ落ちメール: 個人の受信ボックスに届き、見返しやすい(プッシュ型)。
- カゴ落ち広告: ニュース閲覧中や情報収集中など、Web回遊中に自然に目に入る(プル型)。
過去のデータでは、カゴ落ちメールとカゴ落ち広告を併用することで、通常のDSP広告単体と比較してCVRが約5倍に向上したという成果も報告されています。 メールに気付かなかったユーザーを広告でフォローし、広告で商品を思い出したユーザーがメールから購入するなど、相互に補完し合うことで取りこぼしを最小限に抑えることができます。
※カゴ落ちメールの効果や運用のポイントについては、こちらのコラム「カゴ落ちユーザーにはステップメール配信がオススメ!具体的な配信タイミングや効果をご紹介」でも詳しく解説しています。
成功事例から学ぶ:CPAを4分の1に圧縮した実績
実際にカゴ落ち広告を導入し、大きな成果を上げた事例をご紹介します。
コスメショップの事例:CVR42倍の衝撃
『CART RECOVERY®』のカゴ落ち広告をご利用いただいたコスメショップの事例では、通常のリマーケティング広告と比較して、劇的な改善が見られました。
- CPA(顧客獲得単価): 通常のリマーケティング広告と比較して4分の1以下に抑制
- CVR(コンバージョン率): 通常のリマーケティング広告と比較して約42倍を記録
これは、ユーザーが「まさに今、悩んでいる商品」をピンポイントで表示させたことによる成果と言えます。一般的なブランド訴求の広告ではなく、ユーザー個人の興味関心に完全にマッチしたクリエイティブを自動生成できる点が、カゴ落ち広告の最大の強みです。
まとめ:カゴ落ち広告で「今すぐ客」を逃さない
カゴ落ち広告は、購入意欲が最も高い瞬間のユーザーに対し、最適なタイミングとクリエイティブで再アプローチを行うための強力な手法です。
- 高精度なターゲティング: 「カートに入れた」ユーザーに絞ることで無駄な配信を抑制
- クリエイティブ自動化: タグ連携により、制作コスト不要で商品画像を自動表示
- 高い費用対効果: CPMが高くても、高いCVRによりCPAを低く抑えられる傾向。
お客様のサイトに最適な「カゴ落ち対策」をご提案します
『CART RECOVERY®』は、カゴ落ちメールによるリカバリーに加え、今回ご紹介した「カゴ落ち広告」をオプション機能として提供しています。
- Logicadと連携: 国内最大級の在庫保有数を誇るDSPと連携し、適切なユーザーへ広告を配信します
- 完全成果報酬型のコスト構造: 広告機能は、実際に配信された消化金額分のみの請求となるため、無駄な固定費を抑えて運用可能です
- タグ1つで簡単スタート: 複雑なシステム連携は不要。既存のカゴ落ち計測タグを活用してすぐに広告配信を始められます
「リターゲティング広告のCPAが高騰している」「バナー制作の手間をなくしたい」とお考えのマーケター様は、ぜひ一度『CART RECOVERY®』の無料トライアルにて、その効果を実感してください。
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※1:「カゴ落ち」は、株式会社イー・エージェンシーの登録商標です。
※2:『CART RECOVERY®』『カートリカバリー』は、株式会社イー・エージェンシーの登録商標です。
※3:「カゴ落ちリマーケティング広告」は別途有償のオプション機能です。
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