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オウンドメディア立ち上げに必要なステップを解説!
集客方法として欠かせないWeb広告ですが、近年では、Web広告の競争が激しくなり広告コストが高騰しているうえに、消費者の広告への意識が大きく変化し、その効果は低減傾向にあります。その流れの中で、注目を集めているのがオウンドメディアです。
集客の他、自社の認知度向上、ブランディングの強化、ユーザーのファン化、採用応募促進やECサイトへの送客などを目的としてオウンドメディアが活用されています。
オウンドメディアとその目的と特徴
そもそもオウンドメディアとは
オウンドメディアとは、自社で独自に所有して情報を発信するメディアのことで、一般的には、自社で作成したオリジナルのWebサイトがオウンドメディアと呼ばれています。
情報発信を自由にできることがメリットの一つで、自社で全記事の権限を持っているため、許可を得たり記事掲載に対して費用を払ったりする必要がありません。多くの場合は自社で運営や管理のほとんどを担うため、新規でオリジナルデザインのオウンドメディアを立ち上げるには、サーバーやドメインの用意、サイトデザインやコンテンツの企画・制作などに多くの費用と時間を要します。
また、オウンドメディアは、のちに自社の大切な資産となることからやっておくべき施策ではありますが、Webサイトを作っても急にアクセス数が増えないことと同様に、オウンドメディアの効果は即効性がありません。
定期的なコンテンツ制作と公開したコンテンツの改善を地道に繰り返しながら運用を行い、長期的な目で効果を見る必要がある施策だということを心得ておきましょう。
オウンドメディアの目的
広告中心のマーケティングから、自然検索経由の流入にも力を入れるという流れから、オウンドメディアを立ち上げる企業が増えてきました。オウンドメディアでは、広告のようにサイト訪問したユーザーをすぐにコンバージョンさせようとするのではなく、有効な情報を継続的に発信することでリードを獲得し、そのリードを良質なコンバージョンへと育成していきます。
また、企業が有用な情報を直接発信することで、ユーザーからの信頼を得たりファンになってもらったりして、商品やサービスの販売促進にもつながっていきます。オウンドメディアの主な目的には以下が挙げられます。
- 自社ブランドを形成する
- 新たな人材採用につなげる
- 自社や製品の認知拡大
- 自社サービスや商品の見込み顧客の獲得
オウンドメディアは長期間に及ぶ施策だからこそ、途中で頓挫させないためにも、オウンドメディアを立ち上げる目的や目標、成果が得られるまでの筋道を、スタート時にしっかりと定めておく必要があります。
オウンドメディアの特徴
オウンドメディアは、自社の情報を自主的に発信できるメディアです。管理や運営を外注することもありますが、基本的には自社ですべての業務を担当するため、他者から内容を削除・変更されないことが特徴の一つです。
また、一度作成したコンテンツはWeb上に残り続けるため、継続的な効果が得られることも特徴です。役立つコンテンツがオウンドメディアに蓄積されていくことで、自社の評価が高まり信頼を得ることができます。
自社が取り扱う分野での「専門家」という立場を確立できれば、そのオウンドメディアは、長期間にわたって集客やブランディングに効果を発揮し続けます。また、蓄積された情報は、自社独自の情報やノウハウが詰まった資産にもなります。
オウンドメディア立ち上げから運用までのステップ
続いて、オウンドメディアを立ち上げるまでに必要な8ステップを紹介します。
各ステップには、目標・コンセプト・運営体制など事前に設定しておきたい内容が数多く存在します。特に、目標やコンセプトが定まっていないと企画倒れになったり難航したりしますので、以下のステップに沿ってしっかり準備をしていきましょう。
1. 立ち上げの目的と最終目標(KGI)と中間指標(KPI)を設定する
- PV数(ページが閲覧された回数)
- CV数(メルマガ登録、資料請求など顧客の行動回数)
- ユニークユーザー数(Webサイトを訪問した人数)
- 直帰率(1ページのみの閲覧で離脱した人数の割合)
- 回遊率(PV数÷セッション数)
- 離脱率(ユーザーがそのページでWebサイトから離脱した割合)
具体的な数値としてこれらを設定することで、オウンドメディアの立ち上げ・運営においてKGI達成に向かっているのかを確認することができます。
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2. ターゲットとペルソナ、コンセプトを設定する
次に、オウンドメディアのターゲットとペルソナ、そしてコンセプトを設定しましょう。
まず、ターゲットを設定します。これから作るオウンドメディアを「どのような人」に向けて発信していくのか、性別や年代などからユーザー層を絞り込んで、想定顧客を決めます。
そして、ターゲット設定時に欠かせないのがペルソナの設定です。
ペルソナは、ターゲットをさらに掘り下げ、年齢、居住地、職業、趣味など、より具体的な人物像を設定してユーザーの行動特性を把握するほか、チーム内のイメージを共有することを目的としています。
例えば、ターゲットを「オーガニック食品が気になっている女性」と定めたとしても、思い描くターゲット像は人によってさまざまです。そこで、「28歳 アパレルショップの店長 〇〇区の1DKマンションに1人暮らし。普段から健康に気を遣っており休日はヨガに通う」のようにリアルな人物像を据えて共通認識を持つことで、企画や方向性のズレを防ぎ、戦略や施策の意思決定が円滑になります。
オウンドメディア読者の人物像が明らかになると「誰に向けた」「どのような情報」を発信するかが明確になるため、メディアの訴求力が高まります。また、共通認識があることで戦略が決めやすくなります。
ターゲットが決まったら次は、コンセプトを設定しましょう。
「定めたターゲット」に「どのような価値を与え」、結果「ターゲットにどうなってもらいたいか」を言語化していきます。認知度アップやブランディング、送客などの目的とターゲットが欲している情報を踏まえ、オウンドメディアの方向性を決めていきましょう。
3. カスタマージャーニーマップを作成する
ペルソナを設定したら、カスタマージャーニーマップを作成しましょう。
ペルソナがあることで、顧客行動を推測しやすくなり、説得力のある精度の高いカスタマージャーニーマップが作成できます。想定したターゲットと自社のタッチポイントや、心理変容のプロセスを可視化したカスタマージャーニーマップは、各プロセスにおける施策や必要なコンテンツを考えるためのベースとなります。
4. 必要なコンテンツを洗い出す
次は必要なコンテンツの洗い出しに移ります。
ペルソナやカスタマージャーニーマップの内容を踏まえ、オウンドメディアに設置する必要があるコンテンツを探る工程です。顧客が訪問するきっかけとなる検索キーワードの選定も、この段階で実施しましょう。
カスタマージャーニーマップの中にはターゲットとのタッチポイントが多数あります。タッチポイントごとにターゲットが欲しい情報を提供できるよう、設定したペルソナになりきって必要キーワードを探っていきます。
1つのキーワードからユーザーの検索意図を汲み取り、また別のキーワードを模索する、という作業を繰り返して、必要キーワードを洗い出します。
次に、キーワードのカテゴライズを行い、目的やターゲットが欲しい情報とのズレがないか、情報の重複や漏れがないかを確認しましょう。
5. Webサイトの運営体制を決める
続いて、Webサイトの運営体制を整えましょう。
前述したように、オウンドメディアの運用は、時間と費用がかかる長期的なプロジェクトです。そのため、長期間の運用を見据えた計画を立てることが、成功に欠かせないポイントとなります。
オウンドメディアの運営には、ディレクションを担当する編集者、コンテンツを作成するライター、Webサイトを管理する技術者など、さまざまな人材が必要です。
これらの人員が社内に足りない、または人員を長期的に確保できない場合は、外注を検討することもひとつの選択肢です。
6. サイト制作の準備をする
運営体制が決まれば、次はサイト制作です。
まずは、コンテンツを管理するためのCMS(コンテンツマネジメントシステム)を自社開発するか、既存プラットフォームを利用するか選定を行います。
自社開発は、サーバーの用意から始まり時間も費用もかかりますので、クラウドサービスや既存プラットフォームを利用することが多いです。オウンドメディアではクラウドサービスのWordPressがよく利用されていますが、自社の予算や運営体制に応じて選びましょう。
また、並行して進めたいのがドメインの取得です。
インターネット上におけるオウンドメディアの住所になりますので、サイトの内容を連想しやすいドメイン候補をいくつか用意し、すでに他社がドメイン取得していないか、ドメイン提供会社のサイトなどから確認を行い、取得手続きを進めましょう。
既存プラットフォームを利用する場合は、ドメイン取得が不要だったり、取得できるドメインに制限があったりすることもあります。
7. コンテンツを作成する
次は、サイトに掲載するコンテンツの作成に入ります。
まず必要記事数を大まかにでも決めておきましょう。「量より質」とはいっても、ある程度の記事数は必要です。
まず目標とするCV数とCVRから逆算して必要セッション数を算出します。「必要セッション数 = 目標CV ÷ CVR」の計算式で求められます。
さらに、選定したキーワードの検索ボリュームも考慮して、そのセッション数を達成するためには、どのくらいの記事数が必要なのかの目安を立てましょう。
実際に記事を作成する際には、選定したキーワードの検索意図にこたえるテーマを設定しましょう。
次に記事の構成を作っていきます。構成とは設計図のようなもので、どの内容をどんな順番で伝えるか、といった骨子になります。アウトラインと見出しを考えながら構成を作成していきます。
構成と見出しが決まったら、見出しごとにリサーチしながら文章を作成します。チェックの際に再確認することも多いので、参考にした本やURLはメモしておきましょう。
作成した文章は、編集者やディレクターが最終確認を行います。内容の正確さや読みやすさのチェック、そして文体や体裁、言い回しなどに統一感を持たせるためにも必要な工程です。
記事公開の際は、サイト内でお知らせに掲載するか、プレスリリースを用意するかなど、社外へのアピール方法も考慮しましょう。
8. オウンドメディアを運用する
公開して終わりではなく、長期で運用していくのがオウンドメディアです。
Webサイトを公開しただけでは訪問者は増えませんので、SEO対策や広告・プレス配信をしたりするなど、アクセス増加方法を検討しましょう。
そして、オウンドメディアの運用において、最も重要なことは次の3つです。
- KPI達成状況の確認
中間目標として設定したKPIが達成されているかの確認を行います。
設定していたKPIの達成状況が良くない場合は、施策の練り直しやKPIの見直しが必要です。それらを早期発見するためにも、KPI達成状況は、必ず設定した期間で確認していきましょう。 - 継続的なコンテンツ作成
オウンドメディアは記事数も重要です。
ターゲットがどのような情報を欲しているのか、設定したペルソナから想像することを繰り返し、情報を発信し続けましょう。ただし、目標記事数に囚われ、専門性に欠けた内容になってしまうと、記事やWebサイト自体の品質を下げることになります。そうならないよう、KPI設定時には、長期スパンで考えた投稿スケジュールと達成可能な記事数を設定しましょう。
- 公開記事のリライト
SEO的に意外と重要なことが、公開記事のリライトです。
セッション数の伸びには、必ず頭打ちの時期がきます。セッション数が伸びない記事に何も手を入れなければ、セッション数は停滞しますが、リライトによってセッション数を再び伸ばすことが期待できます。
まとめ
オウンドメディアは、堅実な計画のもと、立ち上げ・運用が進めば会社の情報資産となり、また長期的に質の良いリード獲得が期待できます。KPIをチェックしながら、KGI達成に向けてオウンドメディアの舵取りをしていきましょう。
オウンドメディアで重要なKPIであるPV数・直帰率・回遊率・離脱率等の改善には、レコメンドの導入が有効です。自動で新着記事や人気記事、おすすめ記事を表示することで、ユーザーの回遊を促すことができます。
また、オウンドメディアが成長して新しい記事が増えたり、分類が複雑になってきたりした場合に、ユーザーフレンドリーな導線づくりにもレコメンドが利用されています。
ECサイト向けと思われることが多いレコメンドですが、オウンドメディアにおいても役に立つツールです。
『Contents Recommend』は、オウンドメディアなどECではないサイト向けのレコメンドエンジンです。最近は立ち上げ時に計画にレコメンドを組み込んでいるケースもよく見られますが、運営中のメディアに追加で導入することも可能です。各KPIの改善やユーザーの利便性アップのためにも導入を検討されてはいかがでしょうか。
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