コラム

「One to Oneマーケティング」の変遷。まだ間に合うツール活用方法

従来、マーケティングといえば、テレビ・雑誌の広告など不特定多数の大衆(マス)をターゲットとしたマスマーケティングが主流でした。しかし近年、顧客一人ひとりに対して個別に情報を発信するOne to Oneマーケティングが台頭。IT技術の進化に伴い、より詳細な情報をユーザーの求めるタイミングで提供できるようになっています。そこで今回はこのOne to Oneマーケティングについて、これまでの歴史、強みや弱みから最新の手法までをご紹介します。

 

One to Oneマーケティングの歴史と現在

One to Oneマーケティングは顧客のライフステージに合わせて適切なアプローチを行うことで関係性を構築する手法です。このアプローチを繰り返して企業に対するロイヤリティを高め、優良顧客化することで顧客生涯価値(LTV)の向上を目指していきます。

このOne to Oneマーケティングが日本で初めて紹介されたのは1990年代。その背景には多くの市場が成熟し、顧客の好みや欲求が多様化していくなかで、マスマーケティングだけでは大きな効果を発揮することが難しくなったことが挙げられます。

しかし、One to Oneマーケティングが日本に紹介された当時はなかなか普及が進みませんでした。その最も大きな理由は、多くの顧客を個で管理できるほどのデータを蓄積することが困難であったことが挙げられます。そのため1990年代前半は、多額のコストをかけたとしても、ポイントシステムや会員組織によって囲い込んだ顧客のデータを基に、個別にダイレクトメールを送る程度のことしかできないという状況でした。

そうした状況が大きく変化したのは、2000年代。インターネットの普及、IT技術の進化により、当時に比べればそれほど多額のコストをかけずに個のデータを取得、管理することが可能になり、多くの企業がOne to Oneマーケティングへの取り組みを開始しました。

企業は自社のWebサイトやECサイトに登録した顧客の個人データのほか、サイト内の閲覧履歴、購入履歴などを蓄積し始め、それらに基づいてカスタマイズされた製品やサービスのお知らせを、主にメールで発信するようになりました。そして現在ではOne to Oneマーケティングはメール以外にもリターゲティング広告、レコメンデ―ションなど多岐にわたる手法を用いられるようになっています。

One to Oneマーケティング の強みと弱み

One to Oneマーケティングの得意分野と効果

購買率の上昇

顧客のECサイト内での行動履歴を見ることで、その顧客がどの製品に興味を持っているのかを知ることができます。そしてその行動履歴に基づいた、より詳しい製品情報の提供を顧客ごとに行うことが可能になります。また、カートに商品を入れた段階で離脱してしまった顧客にリマインドメールを送付することなどで、購買率の上昇が見込めます。

購買単価の上昇

ECサイトを訪問した 顧客の行動履歴を 分析することで、例えばAという製品を購入した顧客がそれ以外にBという製品を購入する確率が高いといったことがわかります。これを基にAの製品ページを閲覧している顧客にBの製品ページをレコメンドすることで、あわせて購入する確率が高まり、購買単価の上昇に効果が見込めます。

リピート率の上昇

過去に購入した製品の改良版や関連の新商品発売される際のお知らせメールを適切なタイミングで送付することにより再訪率が高まり、結果としてリピート率の上昇が見込めます。

One to Oneマーケティングの苦手分野と落とし穴

消費財や低関与商材など、コモディティ化している製品・サービスには不向き

トイレットペーパー、洗剤といった消費財や低関与商材など、どの企業のものであっても機能に大きな差がないコモディティ化している製品・サービスは、One to Oneマーケティングを行うコストに見合わない場合が多く、不向きです。

顧客の行動・購買データがない場合

One to Oneマーケティングはデータマーケティングの一種であるため、効果的に活用するには一定量のデータが必要です。そのため、これからECサイトを運営するといった初期段階ではまだ十分な顧客データや行動履歴がなく、効果的なOne to Oneマーケティングを実践することは困難です。

顧客のニーズや状態に合わせたコンテンツが必要

一人ひとりの顧客に個別のアプローチができたとしても、誘導先のコンテンツがなかったり、コンテンツが貧弱であったりすれば、購買率の上昇はもちろん、再訪してもらうことさえ難しくなります。One to Oneマーケティングを実践するためには、まずしっかりとしたコンテンツがないと効果を発揮させることはできません。

One to Oneマーケティングに活用できるツール

従来、One to Oneマーケティングで主に活用されてきたツールはメールで、自社の顧客のパーソナルデータをCRMツールを用いて管理するのが一般的でした。製品の購入回数やサービスの利用回数のほか、登録されている性別、年齢、地域などに応じて顧客をカテゴライズし、メールを使ったアプローチを行っていました。

この頃のOne to Oneマーケティングは、顧客ごとに最適化した情報を発信するといっても、その選別は上述したように購入・利用回数や性別・年齢といったように「個」ではなく「群」での選別です。そのため、マスマーケティングほど不特定多数ではないものの、一人ひとりの顧客に寄り添った情報発信ができているかといえば、まだ不完全な状態にあったといえます。

MarTech時代における「One to Oneマーケティング」の進化

One to Oneマーケティングと言いつつも、「個」への情報発信が難しかった時期を越え、本当の意味で「個」への情報発信を可能にしたのは、インターネットの普及とIT技術の進化です。メールを主流に行われてきたOne to OneマーケティングはWeb上でも適用されるようになり、顧客の詳細なデータの取得が可能になっています。

また、MAツールやレコメンドエンジンを活用し、企業側の都合ではなく、顧客側にとって最適なタイミングでのアプローチを実現できるようになりました。こうしたツールの進化により、現在ではECサイトのほか、メディアサイトやサービスサイトなどでもOne to Oneマーケティングが行われるようになっています。

これらのツールのなかでも、コストを抑えつつ大きな効果を発揮させることができるのが、レコメンドエンジンです。弊社の「Contents Recommend」(コンテンツレコメンド)は初期費用99,000円で、後はPV数に応じた月額料金のみ。導入コストは同機能のレコメンドエンジンに比べ、約3分の1と非常に低コストで利用が可能です。サイト内レコメンド、レコメンドメールといったレコメンド機能のほかGoogleアナリティクス、「shutto翻訳」(サイトを多言語化するツール)など連携や併用が可能なサービスも多く、これらを簡便な管理画面で操作できます。

効果的なOne to Oneマーケティングの実践にレコメンドエンジンを

かつてメールマーケティングで主流であった「One to Oneマーケティング」。しかし、時代の流れとともに、Webマーケティングにおいても、その手法はMAツールやレコメンドエンジンなどに活用され、有効なマーケティング戦略とされています。One to Oneマーケティングを検討中で、ツールの選定にお困りでしたら、弊社の「Contents Recommend」(コンテンツレコメンド)の無料トライアルを是非お試しください。

新着コラム記事

     

    サイト内の回遊率を改善するには、 やっぱりレコメンドがシンプル・最適!  

    TOPへ