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AIレコメンドエンジンとは? 活躍するシーンから選び方まで徹底解説
ECサイトやメディア、SNSなど、ユーザーが目にする情報や商品は年々増えています。膨大な情報の中から、本当に必要な商品やサービスを見つけ出すには、時間も手間もかかるでしょう。
こうした負担が大きいと、ユーザーは途中で探すのを諦め、離脱してしまうケースも少なくありません。結果として、購入や申し込みにつながる機会を逃し、企業側では売上低下などの機会損失が生じてしまいます。
これらの課題を解決するのが、ユーザーの一人ひとりに最適な提案を届けるAIレコメンドです。AIを活用することで、従来の行動履歴に基づいた仕組みよりも、興味や関心を先回りして提案する精度を高められます。
本記事では、AIレコメンドの仕組みや活用シーン、導入メリットと課題についてわかりやすく解説します。売上や回遊性アップにつなげた企業の事例も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
AIレコメンドとは
AIレコメンドとは、AI(人工知能)がユーザーの興味・関心を分析し、その人に合った商品やサービス、コンテンツを提案する仕組みです。
ECサイトやSNS、動画配信サービス、マッチングサービスなど、幅広い分野で活用され、売上向上やユーザー体験の向上に役立っています。
従来のレコメンドエンジンは、ルールベースでユーザーの行動履歴をもとにおすすめを表示していました。AIレコメンドでは、より高度なおすすめが可能です。
従来のレコメンドエンジンと比べ、具体的には以下のような違いがあります。
- 像・テキスト・音楽データなど、行動履歴以外の多様なデータも解析できる
- 購入や登録などコンバージョンにつながりやすい商品やコンテンツを高い精度で予測できる
- 顧客ごとに最適化された提案(パーソナライズ)を実現できる
このように、AIレコメンドはパーソナライズ機能の強化だけでなく、提案の精度が大きく向上している点が特徴です。
ユーザーは自分に合った商品やコンテンツをスムーズに見つけられるようになり、企業側は売上アップや顧客満足度の向上が期待できます。
AIレコメンドが活用されるシーン
AIレコメンドの活用として、馴染みがあるのはやはりECサイトですが、それだけでなく他にも多くのシーンで活用されています。ここでは、具体的にどのように活用されているかご紹介します。
ECサイト
ECサイトでは、購入予測商品をおすすめすることによる購入率アップを図るため、AIレコメンドが活用されています。
AIが、ユーザー個人または似たような行動履歴があるユーザーの特徴を分析し、購入しそうな商品を予測しおすすめとして表示します。
レコメンドを取り入れた結果、スタッフも予測できなかったニーズのある商品をレコメンドでき、大きな売上につながったというECサイトの例もあります。
AIレコメンドによって、思わぬ商品との出会いが生まれ、ユーザーにとってもサイト内のショッピングが今まで以上に楽しい時間となり、店舗への信頼度アップにも貢献します。
SNS
SNSは、ユーザーの1日あたりの利用時間やDAU(Daily Active Users/1日あたりのアクティブユーザー数)、MAU(Monthly Active Users/月あたりのアクティブユーザー数)が重要なKPIとなりますが、これらの数字を伸ばすためには、日々ユーザーの興味・関心を惹き続けなければなりません。そこでAIレコメンドが活用されています。
SNSアプリ内で、ユーザーはコンテンツの投稿・閲覧・いいね・シェア・コメントといったさまざまな行動をしています。これらの膨大な行動履歴やインタラクションを含めたユーザーの行動をAIが解析し、より個人の好みに合ったコンテンツをレコメンドし続けています。このように、AIレコメンドがSNSの利用継続を後押ししているのです。
特に他人の投稿や動画を楽しむSNSでは、検索機能はあるものの、ほとんどのユーザーが自動で流れてくるおすすめを見続けるスタイルとなりました。検索やナビゲーションに頼らずにおすすめ表示によって閲覧を続けるというスタイルは、インターネット利用者の行動に大きな影響を与えています。
近年は、インターネット利用者の多くがSNS慣れしているため、能動的に情報を探すのではなく、受動的に情報を受け取ることが当たり前になったのです。
今後、ECサイトやSNSだけではなく、コーポレートサイトやメディアサイトにおいても、レコメンド表示が重要になることはほぼ間違いないでしょう。
メディアサイト
メディアサイトの代表格である情報系サイトは、PV数・会員登録者数がKPIになっていることが多いと思います。
ここでもやはり重要になってくるのは、ユーザーの興味・関心を惹き続け、1日でも多くサイトに訪れてもらうことです。コンテンツ数もPV数も膨大なサイトだからこそ、一人ひとりに合った情報をお届けするためにAIレコメンドが活用されています。
情報系サイトで特徴的なのが、会員登録する際に、ユーザー自身で好みを登録してもらうことです。
例えば、ニュースサイトでは「政治」「芸能」「スポーツ」など自身が興味のあるカテゴリを、美容系情報サイトでは「敏感肌」「くすみ」「肌荒れ」など自身のお悩みを登録したことはないでしょうか。
このように、会員登録時のアンケートで得たユーザー個人の好みは、AIが高精度のレコメンドデータを生成するうえで大事な判断材料の1つとなります。
AIのデータ解析・判断・予測の他、ユーザーから得られた好みを活かすことで、よりユーザーの趣味嗜好に合ったおすすめ提示が可能となり、PV数アップが期待できます。
また、好みに合った情報を提案してくれるサイトは、ユーザーからの信頼を得ることができ、その結果、会員登録者数増加にも貢献しています。
動画配信サービス
動画配信サービスもSNS同様に、レコメンドを使う目的はユーザーの興味・関心を惹き続け、1日の利用時間、DAU、MAUアップによるLTV(Life Time Value/顧客生涯価値)の増加です。
そのためには、精度が高い特徴解析と予測が必要だからこそ、AIレコメンドが活用されています。
また、動画配信サービスなどには、解約を防止するため「休会」制度がありますが、休会ユーザーを呼び戻すときにもAIレコメンドが使われているケースがあります。
休会をしていなくても、長い間サービスにログインしていないと「あなたが興味ありそうな動画の配信が始まりました」という内容のメールやアプリのプッシュ通知が来たという経験はないでしょうか?
この時、ユーザー個人の興味・関心から外れたコンテンツのおすすめは逆効果となり解約に繋がる恐れがあるので、高精度なパーソナライズレコメンドが求められます。
そこで精度が高いAIレコメンドを活用し、休会ユーザーの復活やサービス再訪へのきっかけを作っているのです。
マッチングサービス
仕事をお願いしたい人と仕事をしたい人を繋ぐ、貸りたい人と貸したい人を繋ぐなど、需要と供給を結びつけるためのマッチングサービスですが、従来は、希望条件で絞り込んで検索することが一般的でした。
しかし、マッチングサービスが根付いてきた今、登録者数が多く選べなかったり、希望条件によってはマッチする人がいなかったりするなど、検索だけでは探しきれず、それを補うような施策が必要になってきました。そこで、AIレコメンドが活用されるようになりました。
例えば人材サービスを例に挙げると、AIが求職者の経歴や資格といったプロフィールを考慮した上で企業の希望にマッチする人材を提案し、求職者には、企業の選考活動を分析して書類選考に通過しやすい求人情報をおすすめするなど、双方に向けてAIレコメンドが活用されています。
AIレコメンドを導入するメリット
AIレコメンドを導入するメリットには、以下が挙げられます。
- ユーザー体験(UX)が向上する
- CVR改善につながる
- リピート率が高まる
- アップセル・クロスセルを狙える
ここでは、それぞれのメリットについて詳しく解説します。
ユーザー体験(UX)が向上する
AIレコメンドは、ユーザー体験(UX)の質を高める効果があります。
自分に合った商品やコンテンツが自然と目に入ることで、探す手間や迷いが減り、快適にサイトを利用できるようになります。
とくにECサイトや動画配信サービスなど、選択肢が多い場面では「どれを選べばいいのか迷う」ことが負担になりやすいでしょう。
AIレコメンドは、ユーザーごとに表示内容を柔軟に変えられるため、「このサイトは自分に合っている」という親近感を生み出しやすくなります。
通常のレコメンドよりも精度が高いパーソナライズレコメンドを提供できるため、一層ユーザー体験の改善につながりやすいでしょう。
CVR改善につながる
AIレコメンドは、購入や申し込み、資料請求といったコンバージョン率(CVR)の改善に効果があります。
ユーザーの関心や行動に合わせて、最適なタイミングで商品やサービスを提案できるため、自然に次のアクションを後押しできるためです。
たとえば、以下のようなアプローチが可能です。
- カートに入っている商品に関連するアイテムを表示し、追加購入を促す
- 購入を迷っているユーザーに、割引クーポンや限定オファーを提示する
- 初めて訪れたユーザーには、売れ筋商品やランキングを優先的に表示する
AIレコメンドでは、過去の行動履歴や最近閲覧したページ、季節ごとの人気商品なども加味し、ユーザーごとに表示内容を調整できます。
こうした柔軟な提案によって、従来のレコメンド機能よりもCVR改善の効果が高まるでしょう。
リピート率が高まる
AIレコメンドは、ユーザーのリピート率が高まる点もメリットです。
ユーザーの興味や購買傾向に合わせた提案ができることで、再訪問やリピート購入のきっかけを生み出しやすくなります。
リピートにつなげる施策として、以下のようなアプローチが有効です。
- 購入履歴をもとに、補充が必要なタイミングで関連商品を提案する
- ユーザーの好みに合った新しいコンテンツを案内する
- メール配信やマイページで、個々のユーザーに最適な商品情報を届ける
とくに、サブスクリプション型サービスや購買頻度の高い商材では、解約や買い忘れを防ぐ工夫が欠かせません。
AIレコメンドを活用すれば、ユーザーごとに最適な提案ができ、リピートにつなげやすくなります。
アップセル・クロスセルを狙える
AIレコメンドは、アップセルやクロスセルによる売上拡大にも効果的です。
ユーザーの購入状況や閲覧履歴に応じて、関連性の高い商品や上位プランを自然な流れで提案できるため、無理のない形で顧客単価の引き上げが可能になります。
たとえば、以下のような提案が考えられます。
- 商品ページでより高機能な上位モデルをあわせて表示する
- カートページでセット購入されやすい関連商品を紹介する
- マイページでユーザーの利用状況に応じた有料オプションを提案する
ECサイトだけでなく、SaaSやサブスクリプション型サービスでも、プランアップグレードやオプション追加の提案に活用できるでしょう。
AIレコメンドを導入するデメリット
AIレコメンドは多くのメリットをもたらしますが、導入・運用にはいくつか注意すべきポイントもあります。- 導入・運用コストがかかる
- データ量が少ないと効果が期待できない
- ロジックがブラックボックス化しやすい
ここでは、導入前に知っておきたいデメリットについて解説します。
導入・運用コストがかかる
AIレコメンドの導入には、一定のコストがかかります。初期費用や月額利用料のほか、システム設定や運用にかかる人的リソースも必要になります。
特に、カスタマイズ性の高いシステムや自社専用の独自開発を行う場合は、開発や保守に多くのリソースを割く必要があり、コストも高くなりがちです。
費用体系はサービスごとに異なり、PV数や導入規模、必要な機能によって変動するため、事前にプラン内容を確認することが大切です。
また、導入費用だけでなく、運用コストやサポート体制、将来的な機能拡張も視野に入れて、長く使えるかどうかを検討しましょう。
データ量が少ないと効果が期待できない
AIレコメンドは、ユーザー行動や購買データをもとに精度を高める仕組みです。そのため、データ量が少ない場合は、効果が出にくいことがあります。
とくに立ち上げ直後のECサイトや、商品数が限られているサービスでは、十分な成果を実感しにくいケースも少なくありません。
ただし、データが少ない段階でも、閲覧履歴やページ構造、商品属性といった情報を活用できるAIレコメンドツールもあります。
また、導入時点でデータ量が不十分な場合は、ランキング表示やピックアップ機能など、AI以外の補助的なレコメンド機能を活用する方法も有効です。
こうした機能を活用しつつ、データが蓄積されてからAIレコメンドに切り替えることで、無理なく導入効果を高められるでしょう。
ロジックがブラックボックス化しやすい
AIレコメンドは、高精度な提案ができる反面、「なぜこの商品が表示されたのか分からない」という不透明さ(ブラックボックス性)が課題になることがあります。
たとえば、運用者が意図しない商品がレコメンドされても、AIがどのような特徴を捉えて判断したのか確認できないケースです。
ユーザーごとに表示内容が異なるため、サイト運用者が全体のレコメンド結果を把握しづらいという側面もあります。
そのため、検証用アカウントでレコメンド結果を事前に確認できる仕組みや、運用をサポートする体制が整っているかをチェックすることが大切です。
こうした仕組みがあれば、運用の自由度が高まり、AIレコメンドのブラックボックス性を補いやすくなるでしょう。
AIレコメンドの活用事例|食品オンラインショップ
食品オンラインショップのA社では、商品の取り扱い点数が多く、ユーザーが自力で商品を探す負担を減らしたいという課題がありました。
また、お客様の好みに合った商品提案によって回遊性や併せ買いを促進したいという狙いもあり、AIレコメンドの導入を検討していたそうです。
数あるAIレコメンドツールの中でも、実装が簡単で、管理しやすい仕組みが整っている『さぶみっと!レコメンド』を導入。プログラミング不要で設定できる点や、費用感とのバランスが大きな決め手になりました。
導入後は、回遊率の向上や併せ買いの増加といった効果が早い段階で現れました。カート内で関連商品をレコメンドする仕組みを取り入れたことで、以下のような成果が得られています。
- 1件あたりの購入金額:5%アップ
- コンバージョン率:約1.2倍に向上
さらに、オウンドメディアの記事ページにもレコメンドを設置し、記事からECサイトへの送客率は約12%となっています。
ECサイト以外の接点からも売上につなげる仕組みを構築できたことで、回遊性の向上と売上拡大の両立を実現しています。
まとめ
AIレコメンドは、ユーザーごとに最適な商品やコンテンツを提案できる仕組みとして、ECサイトやメディアなど幅広い分野で活用されています。
回遊率やコンバージョン率の改善、リピート促進といった効果が期待できる一方で、導入・運用コストやブラックボックス性などの課題もあります。そのため、自社の目的や運用体制に合ったツールを選ぶことが大切です。
これからAIレコメンドの導入を検討するなら、実績やサポート体制、費用対効果のバランスを踏まえて検討しましょう。
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手頃な費用感に加え、レコメンドメール機能やランキング表示、カート内レコメンドといった複数の機能が揃っているため、初めてのAIレコメンド導入にも安心です。
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